火災保険と地震保険の免責はどちらが適用される?

火災保険と地震保険の免責はどちらが適用される?

火災保険と地震保険のどちらの免責が適用されるかは、損害の原因で決まります。地震・噴火・津波が原因なら、原則として地震保険の対象です。地震以外の火災や風災などが原因なら、火災保険の補償と、その契約に設定された免責金額が判断されます。

ただし、「免責」には、保険金を支払わない原因を指す場合と、保険金から差し引く自己負担額を指す場合があります。まず、この2つを分けて確認することが大切です。

地震が原因なら、火災保険ではなく地震保険が基本

地震による損害は、火災保険では原則として補償されません。地震によって建物が壊れた場合だけでなく、地震によって発生した火災や、地震による津波で受けた損害も、基本的には地震保険で判断します。

損害の原因 基本的に確認する保険 火災保険の免責金額の扱い
地震で建物が壊れた 地震保険 火災保険の免責金額をそのまま適用するとは限らない
地震による火災 地震保険 火災保険の通常の火災補償は原則対象外
津波による損害 地震保険 火災保険の通常の水災補償とは別に判断する
落雷や失火など、地震以外の火災 火災保険 契約した免責金額を確認する
台風による風災 火災保険の風災補償 風災に設定した免責金額を確認する

たとえば、地震の揺れで建物が壊れ、その後に火災が起きた場合は、原因が地震と判断されれば地震保険で扱われます。火災が起きたという理由だけで、火災保険の火災補償になるわけではありません。

「免責金額」は、火災保険と地震保険で仕組みが違う

火災保険の免責金額は、保険金を受け取るときの自己負担額です。たとえば、免責金額が5万円で、補償対象となる損害額が30万円なら、単純計算では30万円から5万円を差し引いた25万円が保険金の基準になります。ただし、実際の支払額は契約の支払条件によって変わります。

一方、地震保険は、火災保険のように修理費から一定額を差し引く方式ではなく、損害の程度に応じて保険金が決まる仕組みです。建物や家財の損害が、全損・大半損・小半損・一部損のどれに該当するかを確認し、契約内容に応じて支払われます。

そのため、地震による損害について「火災保険の免責5万円を差し引けばよい」とは限りません。地震保険に加入しているか、損害の程度がどの区分に該当するかが重要になります。

地震保険に加入していない場合はどうなるか

地震保険を契約していない場合、地震による建物・家財の損害や、地震が原因の火災は、通常の火災保険では補償されない可能性が高いです。

ただし、火災保険に「地震火災費用保険金」などの特約が付いている場合は、一定の条件で保険金が支払われることがあります。これは地震保険による補償とは別の制度で、支払条件や金額が契約によって異なります。

したがって、地震保険がないから必ず何も支払われない、または火災保険から通常どおり修理費が支払われる、と一律には判断できません。保険証券や契約内容で、地震に関する特約の有無を確認してください。

原因が複数あるときは、何が損害を起こしたかを確認する

台風の直後に地震が起きた場合など、損害の原因が複数考えられるときは、発生した順番だけでなく、どの原因がどの損害を生じさせたかを確認します。

  • 地震の揺れで壁にひびが入ったのか
  • 台風の風で屋根が壊れたのか
  • 地震の後に発生した火災が、地震によるものか別の原因か
  • 津波や浸水が、地震によるものか大雨によるものか

原因の判断には、損害の写真、発生日時、気象情報、消防や自治体の記録、修理業者の調査結果などが使われることがあります。最終的な補償判断は、保険会社が契約内容と損害状況を確認して行います。

保険金を請求するときの確認手順

火災保険と地震保険のどちらを使うか迷ったら、次の順番で確認します。

  1. 損害が発生した日時と原因を記録する。地震、台風、落雷、失火、津波など、分かる範囲で整理します。
  2. 損害箇所を修理前に撮影する。建物全体、損傷部分、周囲の状況を複数の角度から残します。
  3. 保険証券で加入先と補償対象を確認する。火災保険だけでなく、地震保険、地震火災費用保険金、風災や水災の補償も確認します。
  4. 免責金額と支払条件を確認する。火災保険の免責金額だけでなく、損害額の条件や保険金の算定方法も確認します。
  5. 保険会社または代理店に原因を伝えて相談する。「地震の後に火災が起きた」など、損害が発生した経緯を正確に伝えます。

修理を急ぐ場合でも、可能なら修理前に保険会社へ連絡してください。安全確保のために応急処置をした場合は、作業内容や費用が分かる領収書、写真を保管しておくと確認に役立ちます。

火災保険と地震保険の免責はどちらかを判断するポイント

地震・噴火・津波が直接または間接的な原因なら、地震保険を確認します。それ以外の火災、風災、落雷などが原因なら、火災保険の補償と免責金額を確認します。

ただし、地震保険に加入していない場合や、地震に関する特約が付いている場合は結論が変わることがあります。迷ったときは、自己判断で「火災保険の免責」と決めず、損害の原因と契約内容を保険会社に伝えて、どの補償で請求するか確認してください。