火災保険・地震保険の立ち会い調査では、主に損害の原因、損害を受けた場所や範囲、損害が発生した時期、修理費の根拠が確認されます。地震保険では、地震保険の基準に沿って建物や家財の損害の程度も判定されます。
ただし、確認項目や調査方法は保険会社、保険商品、事故の内容によって異なります。調査で分からないことを推測して答えるのではなく、写真や修理見積書など、確認できる資料に基づいて説明することが大切です。
立ち会い調査で確認される主な内容
調査担当者は、保険金の支払い対象となる損害かどうかを判断するため、現場の状況と契約内容を照らし合わせます。
| 確認項目 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 損害の原因 | 風災、水災、落雷、漏水、火災、地震などのどれに当たるか |
| 損害の発生時期 | いつ、どのような出来事で壊れたか |
| 損害の場所 | 建物、付属設備、家財のどこに被害があるか |
| 損害の範囲 | 破損、焼損、浸水、ひび割れ、傾きなどがどの程度あるか |
| 事故との因果関係 | 申告された事故によって生じた損害と考えられるか |
| 修理や交換の内容 | 必要な工事や交換部品が損害に対応しているか |
| 以前からの不具合 | 事故前からあった劣化、故障、ひび割れなどではないか |
調査では、損害の大きさだけでなく、損害が保険の補償対象となる原因によって生じたものかが重視されます。見た目が似た破損でも、経年劣化や施工不良などが原因であれば、事故による損害とは扱われない可能性があります。
火災保険の立ち会い調査で確認されること
火災保険では、火災、風災、落雷、水濡れ、水災など、契約で補償される事故に該当するかと、事故による損害の範囲が確認されます。
損害の原因と発生状況
たとえば、屋根や外壁の破損であれば、強風や飛来物によるものか、以前からの劣化や腐食によるものかを確認します。水濡れであれば、給排水設備の事故、雨漏り、建物の隙間など、どこから水が入ったのかを調べます。
落雷の場合は、焦げ跡だけでなく、分電盤や電化製品の故障状況、落雷の日時、周辺での落雷情報などが判断材料になることがあります。確認方法は事故の内容によって異なります。
修理が必要な範囲
調査担当者は、申告された損害が修理や交換を必要とする状態か、修理範囲が事故による損害に対応しているかを確認します。
たとえば、屋根の一部が破損している場合、屋根全体の交換が必要なのか、破損部分の補修で足りるのかを確認します。見積書に事故と関係のない工事が含まれている場合は、その部分が保険金の算定対象から外れることがあります。
事故前からの劣化や損傷
保険金の対象になる事故による損害と、事故前から存在した劣化や不具合は分けて確認されます。ひび割れ、さび、腐食、変色、塗装の劣化などが、今回の事故で生じたものかを見分けることがあります。
事故前の状態を撮影した写真、過去の修理記録、点検記録があると、損害が発生した時期や原因を説明する資料になります。
地震保険の立ち会い調査で確認されること
地震保険では、地震、噴火、またはこれらによる津波を原因とする建物や家財の損害が確認されます。特に、損害の程度が地震保険の判定基準上どの区分に当たるかが重要です。
地震保険は、火災保険のように損害箇所ごとの修理費をそのまま支払う仕組みとは異なり、建物や家財の損害の程度に応じて保険金が決まる仕組みです。実際の支払いは、契約内容や損害の認定結果によって異なります。
建物で確認される場所
建物の調査では、主に次のような場所や状態が確認されます。
- 基礎のひび割れや損傷
- 柱、梁、壁などの構造部分
- 屋根や外壁の損傷
- 建物の傾きや沈下
- 内壁、床、天井のひび割れや破損
- 建具、設備、門、塀などの損傷
見た目のひび割れがあるかだけでなく、建物の主要な部分にどの程度の損傷があるかが確認されます。ひび割れがあっても、それだけで直ちに大きな損害区分になるとは限りません。
家財で確認されること
家財については、地震によって家財がどの程度損害を受けたかが確認されます。家具、家電、食器、衣類など、契約の対象となる家財の種類や損害状況が判断材料になります。
家財の地震保険を契約していない場合、建物の調査で家財の損害を伝えても、家財についての保険金の対象にはなりません。建物と家財のどちらを契約しているかは、保険証券や契約内容で確認してください。
地震による損害かどうか
地震後に見つかった損害でも、すべてが地震によるものと決まるわけではありません。地震前からあった劣化、地震後の余震や雨による損害、別の事故による損害などと区別して確認されます。
地震の発生日時、損害を最初に確認した日時、地震後の天候や余震の有無などを整理しておくと、状況を説明しやすくなります。
調査当日に聞かれやすいこと
調査担当者からは、損害が発生した経緯や、発見したときの状態について質問されることがあります。
- 事故や地震はいつ発生したか
- 損害をいつ発見したか
- 発見時にどのような状態だったか
- 事故の前から同じ場所に不具合がなかったか
- 応急処置や片付けをしたか
- 修理業者にいつ点検を依頼したか
- 修理や交換をすでに行ったか
- 同じ箇所について過去に保険金請求や修理をしていないか
分からない内容は「分からない」と答えて問題ありません。原因や時期を断定できない場合は、確認できた事実と推測を分けて説明してください。
立ち会い調査までに準備するもの
調査前には、損害の状態を記録し、事故の経緯を整理しておくと説明がスムーズです。
- 損害箇所を、近くから撮影する
- 損害箇所と建物全体の位置関係が分かる写真を撮影する
- 事故や地震の発生日時、損害を発見した日時をメモする
- 修理業者から受け取った点検結果や見積書を用意する
- 保険証券や契約内容を確認し、建物と家財の補償対象を整理する
- 調査担当者に伝えたい損害箇所を一覧にする
写真は、損害箇所だけでなく、建物の全体、部屋の位置、周辺の状況も撮影しておくと、発生場所を説明しやすくなります。撮影日時が分かる状態で保存し、可能であれば損害が広がる前の写真も残してください。
修理や片付けは調査前にしてもよい?
安全確保や被害の拡大防止に必要な応急処置は行えますが、修理や撤去を始める前に、損害状況を写真や動画で記録してください。危険な場所に無理に立ち入ったり、壊れた屋根や外壁を自分で確認したりする必要はありません。
雨漏りを防ぐためのシート設置や、漏水を止めるための応急対応などを行った場合は、対応した日時、内容、費用を記録し、領収書を保管します。大規模な修理や損害物の処分を行う前には、保険会社へ連絡して、必要な記録や確認方法を聞いてください。
すでに修理や処分をした場合でも、写真、動画、修理前後の記録、見積書、領収書などが残っていれば提出できます。ただし、資料だけでは判断できないこともあるため、保険会社の案内に従ってください。
調査で注意したいこと
保険金を受け取るために、損害を実際より大きく見せたり、事故原因を事実と異なる内容で説明したりしてはいけません。確認できない損害を追加すると、請求全体の確認に影響する可能性があります。
また、修理業者から「保険金で無料になる」「必ず保険金が出る」などと勧誘されても、保険金の支払いを決めるのは保険会社です。契約内容や損害の原因によって結果が変わるため、保険会社に直接確認してください。
調査担当者の判定内容に疑問がある場合は、対象外となった損害、原因の判断、損害区分の根拠を確認します。説明を聞いても納得できないときは、保険会社の相談窓口や契約時の案内に記載された手続きを利用してください。
火災保険と地震保険で確認内容が異なる点
火災保険は、契約で補償される事故の種類と、事故による修理対象の損害が中心に確認されます。一方、地震保険は、地震などを原因とする損害であることに加え、建物や家財の損害程度が確認されます。
| 項目 | 火災保険 | 地震保険 |
|---|---|---|
| 主な確認点 | 補償対象の事故か、どこがどの程度壊れたか | 地震などが原因か、損害の程度がどの区分か |
| 対象となるもの | 契約した建物、家財など | 契約した建物、家財など |
| 劣化の扱い | 事故による損害か、以前からの劣化かを区別 | 地震などによる損害か、以前からの損傷かを区別 |
| 支払いの考え方 | 契約条件に基づき、対象損害や修理費などを確認 | 損害の程度に応じた保険金を確認 |
地震による火災や損壊は、通常の火災保険だけでは補償されない場合があります。地震が原因の損害を請求する場合は、火災保険だけでなく地震保険の契約有無と補償内容を確認してください。
立ち会い調査での判断を正確にするポイント
最初に行うことは、損害箇所を修理や処分の前に撮影し、事故の発生から発見までの経緯を時系列で整理することです。そのうえで、保険会社へ事故の連絡をし、必要書類と調査までに行ってよい応急処置を確認します。
立ち会い調査では、原因・発生時期・損害範囲・事故前の状態・契約の補償対象が主に確認されます。火災保険は事故による具体的な損害、地震保険は地震などによる損害とその程度が特に重要です。







