火災保険と地震保険は分譲マンションの共用部分も補償される?

火災保険と地震保険は分譲マンションの共用部分も補償される?

分譲マンションの共用部分は、管理組合が契約する火災保険や地震保険で補償される場合があります。ただし、区分所有者が自分の住戸にかける火災保険・地震保険だけでは、共用部分まで自動的に補償されるわけではありません。

補償の有無は、管理組合が加入している保険の対象、補償内容、地震保険を付けているかによって決まります。まずは管理会社や管理組合に、共用部分の保険証券や契約内容を確認することが大切です。

分譲マンションの共用部分は誰の保険で補償される?

共用部分は、通常、個々の区分所有者ではなく管理組合が契約する保険で補償します。管理組合が建物全体または共用部分を保険の対象にして、保険料を管理費などから支払う形が一般的です。

共用部分には、一般に次のような場所や設備が含まれます。

  • エントランス、廊下、階段
  • 屋上、外壁、基礎
  • エレベーターや受水槽などの共用設備
  • 管理員室や集会室
  • 敷地内の門、塀、機械式駐車場など

ただし、共用部分の範囲は管理規約や建物の構造によって異なります。バルコニーのように、特定の住戸が専用で使っていても法律上は共用部分として扱われる場所もあるため、保険上の扱いは個別に確認が必要です。

火災保険で共用部分に補償される損害

管理組合の火災保険が共用部分を保険の対象にしていれば、火災などによる共用部分の損害が補償される可能性があります。ただし、補償される事故の種類は契約内容によって異なります。

事故の例 補償の判断
共用部分の火災 火災補償の対象であれば補償される可能性がある
落雷 落雷補償を付けていれば補償される可能性がある
台風や風災 風災補償の対象と免責金額を確認する
給排水設備からの水漏れ 水ぬれ補償の対象や原因を確認する
水災 水災補償の有無と浸水条件を確認する
地震による損害 火災保険だけでは原則として補償されず、地震保険の確認が必要

「火災保険」という名称でも、火災だけでなく風災、水ぬれ、破損・汚損などを補償する商品があります。一方で、すべての補償が自動的に付いているわけではありません。

たとえば、共用部分の水漏れが補償されるかどうかは、漏水の原因、損害を受けた場所、契約している補償、免責金額などによって変わります。保険証券や契約概要で、共用部分の建物が保険の対象になっているかを確認します。

地震保険で共用部分に補償される条件

共用部分の地震による損害は、管理組合が共用部分を対象にした地震保険を契約している場合に補償されます。地震保険は、通常、単独では契約できず、火災保険に追加して契約します。

そのため、管理組合が火災保険に加入していても、地震保険を付けていなければ、地震・噴火・これらによる津波を原因とする共用部分の損害が補償されないことがあります。

地震保険の保険金は、損害の程度に応じて、全損、大半損、小半損、一部損などの区分で支払われます。修理費用の全額が実費で支払われる保険とは限らないため、保険金額だけでなく、損害認定の方法や支払条件も確認が必要です。

地震保険の制度や保険金額には、法律上の限度や商品共通のルールがあります。詳しい制度は、金融庁「地震保険制度の概要」でも確認できます。

住戸の保険と共用部分の保険は別に考える

区分所有者が契約する火災保険・地震保険は、主に自分の住戸の専有部分や家財を対象にします。管理組合が契約する共用部分の保険とは、保険の契約者も保険の対象も異なります。

区分 主な契約者 主な保険の対象
共用部分 管理組合 廊下、外壁、屋上、共用設備など
専有部分 区分所有者 住戸内部の内装、設備など
家財 区分所有者や居住者 家具、家電、衣類など

たとえば、地震でマンションの外壁が損傷した場合は、管理組合の共用部分保険が関係します。一方、住戸内の家具が倒れて壊れた場合は、住戸所有者が契約する家財の地震保険が関係します。

住戸内の壁や床、天井などが専有部分に当たるか、共用部分に当たるかは、マンションの管理規約や構造によって異なる場合があります。保険を請求する前に、管理規約と保険契約の両方を確認してください。

共用部分の保険で確認する項目

管理組合や管理会社に問い合わせるときは、単に「保険に入っていますか」と聞くのではなく、次の項目を確認すると判断しやすくなります。

  1. 共用部分の建物や設備が保険の対象になっているか確認する。
  2. 火災、風災、水ぬれ、水災など、どの補償を付けているか確認する。
  3. 地震保険を付帯しているか確認する。
  4. 地震保険の対象が建物のどの範囲か確認する。
  5. 免責金額や、保険金が支払われない主な条件を確認する。
  6. 事故が起きた場合の連絡先と、管理組合への報告方法を確認する。

確認資料としては、保険証券、契約内容のお知らせ、保険の対象を記載した明細、管理規約などが役立ちます。保険期間が切れていないか、契約更新後の内容になっているかも確認してください。

共用部分の損害を個人の保険で請求できる?

原則として、管理組合が契約する共用部分の損害を、区分所有者が自分の住戸用に契約した保険から請求することはできません。個人の保険は、契約上の保険の対象になっている専有部分や家財などに限って補償されます。

ただし、共用部分の事故によって住戸内の専有部分や家財にも損害が出た場合は、損害の場所ごとに適用される保険が分かれることがあります。たとえば、共用配管の事故で住戸内の床や家財が損傷した場合、管理組合の保険と個人の保険のどちらが、どの損害を対象にするかを確認します。

事故の原因や責任関係を自己判断で決めず、まず管理会社または管理組合へ連絡し、必要に応じて保険会社にも相談してください。

補償されるか判断するための結論

分譲マンションの共用部分は、管理組合が契約した火災保険の対象になっていれば、火災や風災などが補償される可能性があります。地震による損害は、管理組合が共用部分を対象に地震保険を付けているかどうかで決まります。

区分所有者が最初に確認するのは、管理組合の保険証券または契約内容です。共用部分の保険の有無だけでなく、地震保険の付帯、対象範囲、免責金額、損害発生時の連絡先まで確認すると、実際の事故に備えられます。