火災保険・地震保険は保険会社を乗り換えられる?

火災保険・地震保険は保険会社を乗り換えられる?

火災保険・地震保険は、契約期間の途中でも保険会社を乗り換えられます。現在の契約を解約し、新しい保険会社の契約を開始する手続きが基本です。ただし、火災保険に付帯する地震保険も同時に見直す場合は、補償の空白期間や保険料の返還額を確認してから切り替えてください。

火災保険・地震保険の乗り換えは可能

火災保険は、満期を待たずに解約して別の保険会社へ変更できます。地震保険も、火災保険の契約に付帯する形で新しい契約へ切り替えることが可能です。

ただし、地震保険は単独で契約する保険ではありません。原則として火災保険に付帯して契約するため、火災保険だけを新しい会社に変更して地震保険を以前の会社のまま残す、といった扱いはできません。新しい火災保険に地震保険を付けるかどうかを、あらためて決めることになります。

乗り換えるタイミングは満期前と契約期間中の2つ

満期に合わせて乗り換える場合

最も手続きしやすいのは、現在の火災保険・地震保険が満期を迎えるタイミングです。満期日までに新しい保険会社へ申し込み、現在の契約が終了した翌日から新契約を開始する形にすると、補償の空白を避けやすくなります。

自動更新の契約では、何もしないと現在の保険会社で更新されることがあります。乗り換える場合は、更新しない意思表示が必要か、いつまでに手続きすべきかを保険証券や保険会社に確認してください。

契約期間の途中で乗り換える場合

契約期間中でも、現在の契約を解約して新しい契約を始められます。新契約の補償開始日を決めたうえで、現在の保険会社へ解約手続きを行います。

ただし、解約日と新契約の開始日を別々に設定すると、どちらの保険でも補償されない期間が生じるおそれがあります。新しい契約の補償開始を確認してから、現在の契約を解約する順番にすると安心です。

乗り換えで確認する5つのポイント

1. 補償内容が現在の契約より狭くなっていないか

保険料だけでなく、次の項目を同じ条件で比較してください。

  • 火災、落雷、破裂・爆発の補償
  • 風災、ひょう災、雪災の補償
  • 水災の補償と支払条件
  • 水濡れ、盗難、破損・汚損の補償
  • 個人賠償責任特約などの特約
  • 建物と家財のどちらを補償するか
  • 免責金額(事故時に自己負担する金額)

「保険料が安くなった」としても、補償を外したり免責金額を高くしたりした結果であれば、単純な乗り換えとは比較できません。

2. 地震保険の保険金額を確認する

地震保険は、火災保険の保険金額に応じて設定され、火災保険の保険金額を超えて契約することはできません。新しい火災保険で建物や家財の保険金額を変更すると、地震保険の保険金額も変わる場合があります。

また、地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額に対して一定の範囲内で設定されます。乗り換え時は、現在と同じ保険金額になるのか、建物・家財のどちらにも地震保険を付けるのかを確認してください。

3. 地震保険料の割引を引き継げるか確認する

地震保険には、建物の耐震性能や建築年などに応じた割引制度があります。割引を適用するには、建築確認書、登記簿謄本、耐震性能を示す書類など、条件に応じた資料が必要になることがあります。

保険会社を変更するときは、現在の契約で適用されている割引が新契約でも認められるかを確認してください。割引の種類や建物の条件によって必要書類が異なるため、「現在の保険証券があるから必ず引き継げる」とは限りません。

4. 解約返戻金と未経過保険料を確認する

契約期間の途中で解約すると、未経過期間に対応する保険料が返還されることがあります。ただし、返還額は保険料の単純な日割り計算になるとは限らず、契約期間、支払方法、解約日、保険会社の規定によって異なります。

分割払いの場合は、解約後の支払いがどうなるかも確認が必要です。乗り換え前に、現在の保険会社へ「解約日をこの日にした場合の返還額」と「追加の支払いがあるか」を問い合わせると、実際の負担を比較しやすくなります。

5. 住宅ローンや質権の手続きを確認する

住宅ローンを利用している場合、金融機関が火災保険の加入を融資条件にしていることがあります。また、保険金請求権に質権が設定されている場合は、保険会社を変更する前に金融機関への連絡や書類の提出が必要になることがあります。

住宅ローンの契約書や金融機関から案内された保険条件を確認し、乗り換えに問題がないかを先に問い合わせてください。

火災保険・地震保険を乗り換える手順

  1. 現在の契約を確認する。保険期間、満期日、補償対象、保険金額、免責金額、特約、地震保険の有無、割引の種類を保険証券や契約者ページで確認します。
  2. 新しい保険会社の見積もりを取る。現在と同じ補償条件を伝え、火災保険と地震保険を合わせた保険料を比較します。
  3. 新契約の引受けと補償開始日を確認する。申込みをしただけで、必ず契約が成立するとは限りません。保険会社から契約成立や補償開始日が案内されたか確認します。
  4. 現在の保険会社へ解約を申し込む。新契約の開始日と補償内容を確認してから、現在の契約の解約日を指定します。
  5. 保険料の返還や必要書類を確認する。解約返戻金、未払い保険料、地震保険料控除に関係する書類などを確認し、契約終了後も保険証券や解約の案内を保管します。

乗り換えないほうがよい場合もある

新しい保険のほうが安く見えても、次のような場合は、乗り換えによるメリットを慎重に確認してください。

  • 水災や破損・汚損など、現在の契約にある補償を外すことになる
  • 免責金額が高くなり、事故時の自己負担が増える
  • 築年数や建物の構造などを理由に、新契約で希望する補償を付けられない
  • 地震保険の割引が適用できず、保険料が上がる
  • 現在の契約を解約した場合の返還額が少なく、乗り換え費用の差が小さい
  • 住宅ローンの金融機関への手続きが完了していない

特に、契約中に建物の状態や所在地などの条件が変わっている場合、新しい契約で同じ補償を受けられるとは限りません。先に現在の契約を解約せず、新契約の条件を確定させてから判断してください。

乗り換えの判断は保険料だけで決めない

火災保険・地震保険の乗り換えでは、次の順番で比べると判断しやすくなります。

  1. 建物・家財など、補償の対象をそろえる
  2. 火災、風災、水災、地震などの補償範囲をそろえる
  3. 保険金額と免責金額をそろえる
  4. 特約と地震保険料の割引を確認する
  5. 新契約の保険料から、現在の契約の解約返戻金や追加費用を含めて比較する

保険会社の乗り換えは可能ですが、現在の契約を解約する前に、新契約の補償内容・契約成立・開始日を確認することが重要です。満期で切り替えるか、契約途中で解約するかによって手続きや返還額が変わるため、まずは保険証券を用意して、現在の保険会社と乗り換え先の両方に条件を確認してください。