土砂災害は、原因によって火災保険または地震保険の補償対象にできる場合があります。大雨や台風が原因の土石流・がけ崩れなどは、火災保険に「水災補償」を付けているかが判断のポイントです。一方、地震による地すべりや、地震・噴火・津波が原因の損害は、地震保険の対象になる可能性があります。
土砂災害は火災保険の対象になる?
大雨や台風などによる土砂災害は、火災保険の「水災補償」で補償されることがあります。ただし、火災保険に加入しているだけでは足りず、水災補償を契約している必要があります。
水災補償の対象になり得る損害には、たとえば次のようなものがあります。
- 大雨で発生した土石流による建物の損害
- 集中豪雨によるがけ崩れで生じた建物や家財の損害
- 台風や豪雨を原因とする地すべりによる損害
ただし、補償の対象となる損害の大きさや支払条件は保険商品によって異なります。床上浸水などの条件が設定されている場合や、損害額が一定以上でなければ保険金が支払われない場合もあるため、契約している保険の「水災」の定義と支払条件を確認してください。
地震による土砂災害は地震保険の対象になる?
地震が原因で起きた地すべりやがけ崩れは、地震保険の対象になる可能性があります。地震保険は、地震による倒壊だけでなく、地震を原因とする火災、損壊、埋没などの損害を補償する保険です。
たとえば、地震によって斜面が崩れ、建物が損壊した場合は、地震保険で判定される可能性があります。ただし、地震保険は実際の修理費をそのまま支払う仕組みではなく、損害の程度に応じた区分により保険金額が決まります。
地震保険は、通常、火災保険に追加して契約します。地震保険だけを単独で契約することはできません。また、火災保険に加入していても、地震保険を付けていなければ、地震が原因の土砂災害は火災保険では補償されないのが一般的です。
原因別に見る補償の違い
土砂災害の補償は、土砂が流れ込んだという結果だけでなく、何が原因で発生したかによって判断されます。
| 土砂災害の主な原因 | 確認する保険 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 大雨・台風・集中豪雨 | 火災保険の水災補償 | 水災補償の有無、損害の支払条件を確認する |
| 地震 | 地震保険 | 地震保険を契約しているか、損害区分に該当するかを確認する |
| 噴火 | 地震保険 | 火災保険だけでは補償されないことが一般的 |
| 津波 | 地震保険 | 地震・津波による損害として判定される |
| 原因が特定できない | 保険会社による確認 | 発生日時、気象状況、地震の有無などをもとに判断される |
同じ場所で発生した土砂災害でも、大雨が原因なら火災保険、地震が原因なら地震保険というように、適用される保険が変わることがあります。複数の原因が考えられる場合は、保険会社が気象情報や地震記録、現地の状況などを確認して判断します。
火災保険で補償されないことがあるケース
火災保険に加入していても、次のような場合は土砂災害が補償されない可能性があります。
- 水災補償を付けていない
- 契約上の水災の支払条件を満たしていない
- 土砂災害の原因が地震で、地震保険を契約していない
- 補償対象が建物だけで、損害を受けた家財が対象外になっている
- 免責金額が設定され、損害額がその金額以下である
- 保険金の支払対象外となる損害に該当する
特に確認したいのは、建物と家財のどちらを契約しているかです。建物が補償対象でも、家具、家電、衣類などの家財が自動的に補償されるとは限りません。
自分の契約で補償されるか確認する手順
- 保険証券や契約内容のお知らせで、火災保険に「水災補償」が付いているか確認する。
- 地震保険の契約があるか、火災保険に追加されているか確認する。
- 建物と家財のどちらが保険の対象か確認する。
- 水災補償の支払条件、免責金額、保険金額を確認する。
- 土砂災害が起きた場合は、被害状況を写真や動画で記録し、保険会社または代理店に事故連絡する。
被害の原因が大雨なのか地震なのか自分で判断できない場合でも、先に保険会社へ相談できます。発生日時、雨や地震の状況、土砂が流れ込んだ場所、建物や家財の被害状況を伝えると確認が進みやすくなります。
ハザードマップで危険区域でも補償される?
土砂災害警戒区域などに建物があることだけを理由に、火災保険や地震保険の補償対象外になるとは限りません。実際に補償されるかは、契約内容と損害の原因、保険会社の判定によって決まります。
ただし、ハザードマップは保険の補償内容を確認する資料ではありません。自宅周辺の土砂災害リスクを把握するために利用し、保険については保険証券や約款で水災補償と地震保険の有無を確認してください。
火災保険と地震保険のどちらを確認すべきか
大雨や台風が原因なら火災保険の水災補償、地震・噴火・津波が原因なら地震保険を確認するのが基本です。ただし、最終的な補償の可否は、契約時期や商品ごとの約款、損害の程度によって異なります。
まずは保険証券で「水災補償」と「地震保険」の有無を確認し、土砂災害が発生した場合は被害を記録したうえで、保険会社に原因と補償対象を確認してください。







