地震保険は、同じ地震に対して何度でも同じ保険金が支払われるわけではありません。ただし、最初の支払い後に同じ地震やその余震で損害が大きくなり、損害区分が変わった場合は、差額が追加で支払われる可能性があります。
同じ地震で地震保険が複数回支払われるケース
同じ地震による損害について、最初に認定された損害区分よりも被害が大きくなった場合は、改めて損害の程度が確認されます。たとえば、最初は「一部損」と認定された後、余震によって建物の損害が拡大し、「小半損」や「大半損」に変更されるケースです。
この場合、すでに受け取った保険金を差し引き、変更後の損害区分に対応する金額との差額が支払われることがあります。つまり、同じ被害に対して保険金を二重に受け取るのではなく、損害の認定結果が変わったときに追加支払いが行われるという考え方です。
地震保険の損害区分と支払割合
地震保険では、建物や家財の損害を調査し、損害の程度に応じて保険金が決まります。一般的な損害区分と支払割合は次のとおりです。
| 損害の程度 | 地震保険金額に対する支払割合 |
|---|---|
| 全損 | 100% |
| 大半損 | 60% |
| 小半損 | 30% |
| 一部損 | 5% |
たとえば、地震保険金額が1,000万円で、最初に一部損として50万円が支払われたとします。その後、同じ地震による損害が小半損に変更された場合、支払額の合計は300万円となるため、追加で250万円が支払われる可能性があります。
この計算例は、損害区分が変更された場合の考え方を示したものです。実際の支払額は、契約内容や保険会社の損害認定によって決まります。
余震で被害が広がった場合はどうなるか
余震によって被害が広がった場合は、保険会社へできるだけ早く連絡してください。最初の調査後に建物のひび割れや傾き、家財の破損などが増えたときは、損害の再確認を受けられる場合があります。
連絡する前に、次のものを準備しておくと状況を説明しやすくなります。
- 損害が発生した場所の写真や動画
- 最初の調査後に新たに発生した損害の記録
- 損害が発生した日時や、余震との関係が分かるメモ
- 保険会社や代理店から案内された受付番号や書類
安全確保や応急処置のために片付けや修理が必要な場合は、修理前に可能な範囲で写真を残してください。ただし、倒壊のおそれがある建物には近づかず、安全を優先します。
72時間以内の地震は一つの地震として扱われることがある
地震保険では、短い間隔で発生した複数の地震や余震について、一定の条件を満たすと一つの地震として扱うルールがあります。一般に、72時間以内に発生した複数の地震は、まとめて一つの地震等とみなされます。
そのため、最初の地震と余震が別々に発生していても、地震保険上は別の事故としてそれぞれ満額が支払われるとは限りません。損害が拡大した場合は、同じ地震による損害の変化として、損害区分が見直されることがあります。
72時間を超えて発生した地震が別の事故として扱われるかは、発生時期だけでなく、契約内容や損害の原因、損害調査の結果によって判断されます。別の地震による損害だと考えられる場合も、自己判断で分けずに保険会社へ伝えてください。
同じ損害について二重に支払われるわけではない
地震保険金を受け取った後に、同じ損害を理由としてもう一度同額の保険金を請求することはできません。追加支払いの対象になり得るのは、損害が拡大した、または損害区分が変わったなど、再確認によって支払額が変わる場合です。
また、地震保険は火災保険に付帯する保険で、保険金額にも上限があります。複数の火災保険に地震保険を付けている場合でも、契約を重ねれば無制限に保険金を受け取れるわけではありません。
一度支払いを受けた後に被害が広がったときの対応
- 被害が広がった日時と、どの部分が変化したかを記録する。
- 建物や家財の状態を、片付けや修理の前に写真や動画で残す。
- 保険証券や保険会社の連絡先を確認する。
- 保険会社または代理店に、同じ地震による損害が拡大したと連絡する。
- 追加調査や再認定が必要か、提出書類と手続き方法を確認する。
保険会社に連絡するときは、「最初に一部損の認定を受けたが、その後に余震で建物のひび割れが広がった」など、最初の認定後に起きた変化を具体的に伝えることが大切です。
地震保険は、同じ地震で何度でも同じ保険金が支払われる制度ではありません。一方で、同じ地震による被害が拡大して損害区分が変わった場合は、追加支払いの対象になる可能性があります。すでに保険金を受け取った後に被害が広がったら、写真を残して保険会社へ再調査を依頼してください。







