地震保険は、地震後の余震による損害も、原則として補償の対象です。ただし、地震保険の対象になる建物・家財であること、損害が地震を原因としていること、損害認定の基準を満たすことなどが条件です。
また、最初の地震と余震が別々の災害として扱われるとは限りません。損害の確認前に修理や片付けを進めると、余震による追加損害を含めた状況を確認しにくくなるため、被害の写真を残して保険会社または代理店へ早めに連絡してください。
余震による損害が補償される条件
余震による損害が補償されるかは、主に次の条件で判断されます。
- 地震保険が有効な期間中に発生した損害である
- 損害の原因が地震、噴火、またはこれらによる津波である
- 地震保険の対象に設定している建物または家財の損害である
- 地震保険の損害認定基準に該当する
- 保険金の支払い対象外となる事情に該当しない
たとえば、本震では大きな損害がなかったものの、後から発生した余震で壁や柱、家財などの損害が広がった場合、余震による追加損害も含めて確認されます。ただし、損害の原因や程度は、保険会社の調査・損害認定によって判断されます。
本震と余震は別々に保険金を受け取れる?
本震と余震が必ず別の事故として扱われ、保険金を2回受け取れるわけではありません。地震保険では、一定時間内に発生した複数の地震などを、原則として一つの地震等として扱うルールがあります。
一般に、最初の地震から72時間以内に発生した複数の地震などは、一つの地震等とみなして損害を判定します。そのため、本震と余震による損害を合わせて損害認定することがあります。
72時間を超えて発生した地震についても、実際に別の地震として扱われるか、既存の損害との区別ができるかなどによって判断が変わります。発生時刻や被害の広がりが分かるよう、地震ごとに記録を残しておくことが大切です。
余震で被害が広がったときの確認方法
本震の後に余震が発生し、被害が大きくなった場合は、次の順番で対応します。
- 身の安全を確保し、危険な建物や場所に近づかない
- 安全を確保できる範囲で、建物や家財の被害を写真・動画で撮影する
- 本震後と余震後で、どの部分の被害が広がったかを記録する
- 地震の発生日時、被害を確認した日時、修理や片付けをした内容をメモする
- 保険証券や契約内容を確認し、保険会社または代理店に連絡する
- 保険会社の案内を受けて、損害調査や保険金請求の手続きを進める
写真は、建物全体、被害箇所の周辺、損傷部分の近接写真の順に撮影すると、被害の位置や大きさを説明しやすくなります。撮影日時が分かる状態で保存し、損傷した家財は処分前に写真を残してください。
本震の損害と余震の損害を区別できない場合
本震で発生した損害と、余震で追加された損害を自分で完全に区別できなくても、請求をあきらめる必要はありません。被害を発見した時点の状態や、余震の前後で変わった点を保険会社に伝えてください。
一方で、損害の原因や発生時期が確認できない場合は、保険会社が追加損害の範囲を特定できないことがあります。修理前の写真、近隣の被害状況、地震の発生時刻、家族が見た被害の変化など、確認できる事実を整理して伝えることが重要です。
余震によるすべての損害が補償されるわけではない
地震後に起きた損害でも、地震保険の対象になるとは限りません。たとえば、次のような点は個別に確認が必要です。
- 地震保険を付けていない建物や家財の損害
- 地震保険の対象に設定していない物の損害
- 損害認定の基準に満たない軽微な損害
- 経年劣化、通常の故障、地震とは別の原因による損害
- 保険契約の対象外となる物の損害
また、地震による火災は、通常の火災保険だけでは補償されず、地震保険の補償範囲で判断されます。地震保険に加入している場合でも、契約内容や対象、保険金額には限度があるため、保険証券で確認してください。
余震による損害を請求するときの注意点
被害の確認前に、損傷箇所を元に戻したり、家財を処分したりしないことが基本です。緊急の安全確保や二次被害を防ぐために必要な応急処置をした場合は、処置前後の写真と内容を残してください。
余震が続いているときは、建物の中に入ること自体が危険な場合があります。安全確認ができない場所の撮影や片付けを無理に行わず、保険会社や自治体などの案内に従ってください。
なお、保険会社への連絡時には、「本震でどのような被害があったか」「余震の後に何が変わったか」「いつ確認したか」を分けて伝えると、損害状況を確認しやすくなります。
地震後の余震による補償の判断
地震保険は、地震後の余震による建物や家財の損害も、地震を原因とする損害として原則補償の対象になります。ただし、本震と余震の扱い、損害認定の結果、契約の対象や保険金額によって支払われる保険金は変わります。
被害が広がったと感じたら、修理や処分の前に本震後と余震後の状態を記録し、保険会社または代理店へ連絡してください。







