火災保険料は、原則として所得税の所得控除には使えません。地震保険料控除を受ける場合は、保険会社が発行する「地震保険料控除証明書」が主な必要書類です。
ただし、賃貸物件や事業用建物の保険料を経費として計上する場合、または古い契約に関する特例を適用する場合は、必要な書類や処理が異なります。
地震保険料控除に必要な書類
個人の自宅などにかけた地震保険について確定申告をする場合、基本的には次の書類を用意します。
| 書類 | 必要になる場面 | 確認する内容 |
|---|---|---|
| 地震保険料控除証明書 | 地震保険料控除を受ける場合 | 契約者名、対象年、支払った保険料など |
| 確定申告書 | 確定申告をする場合 | 地震保険料控除の欄に金額を入力・記載 |
| 源泉徴収票 | 給与所得がある場合 | 給与や源泉徴収税額などを申告書へ反映 |
紙の控除証明書が届いている場合は、記載された年間の地震保険料を確認して申告します。e-Taxでは、保険会社から受け取った電子的な控除証明書のデータを利用できる場合があります。
火災保険の保険料だけでは控除を受けられない
現在の一般的な火災保険料は、所得税の所得控除の対象ではありません。火災保険に地震保険を付けている場合でも、控除の対象になるのは原則として地震保険料の部分です。
そのため、保険証券に「火災保険料」と「地震保険料」が分けて記載されている場合は、地震保険料控除証明書に記載された金額を使います。火災保険料と地震保険料を合算して申告しないよう注意してください。
控除証明書が手元にない場合
控除証明書が届いていない、紛失した、記載内容が分からない場合は、保険会社または契約した代理店に再発行を依頼します。保険料を支払ったことが分かる通帳の記録や保険証券だけでは、控除額を確認できないことがあります。
保険会社によっては、契約者向けのウェブサイトから電子データを取得できる場合もあります。再発行や電子データの利用可否は保険会社ごとに異なるため、契約先へ確認してください。
給与所得者は確定申告ではなく年末調整で手続きできることがある
会社員などの給与所得者は、勤務先の年末調整で地震保険料控除を申告できる場合があります。その場合も、通常は勤務先へ地震保険料控除証明書を提出します。
年末調整で申告しなかった場合や、年末調整後に証明書が届いた場合は、確定申告で控除を受けられる可能性があります。確定申告をする際は、給与所得を確認するために源泉徴収票の内容も使います。
賃貸物件や事業用建物の火災保険は扱いが異なる
自宅ではなく、賃貸物件や事業用の建物にかけた火災保険は、所得控除ではなく必要経費として扱える可能性があります。ただし、事業や不動産貸付に使っている部分に限られ、使用割合などに応じた計算が必要になることがあります。
この場合は、保険証券、保険料の支払いが分かる資料、契約内容の明細などを保管し、確定申告書の経費として処理します。自宅部分と賃貸・事業部分が混在している場合は、全額を経費にしないよう注意してください。
古い長期損害保険契約は別の控除対象になる場合がある
一定の条件を満たす古い長期損害保険契約には、地震保険料控除へ移行する前の経過措置が適用される場合があります。すべての火災保険が対象になるわけではなく、契約日、保険期間、契約内容などの確認が必要です。
控除証明書に「旧長期損害保険料」などの記載がある場合は、その金額を確認して申告します。記載がない契約を自己判断で対象にせず、保険会社へ確認してください。
確定申告前に確認すること
- 保険会社から届いた控除証明書で、対象年と保険料の金額を確認する。
- 火災保険料と地震保険料が分かれている場合は、地震保険料の金額だけを確認する。
- 給与所得がある場合は、源泉徴収票の内容を用意する。
- 確定申告書の地震保険料控除欄へ、控除証明書の金額を入力または記載する。
- 控除証明書や保険契約に関する資料を、申告後も保管する。
個人の自宅にかけた一般的な火災保険については、保険料だけで確定申告の控除を受けることはできません。地震保険料控除を申告するなら、まず地震保険料控除証明書を確認し、賃貸・事業用の保険料や古い契約の特例に該当しそうな場合は、契約内容を分けて扱います。







