住宅ローンを借り換えても、火災保険や地震保険が自動的に失効するわけではありません。ただし、借り換え先の金融機関が保険加入を確認することがあり、保険証券の提出や、質権設定などの契約手続きが必要になる場合があります。
まずは、現在の保険会社と借り換え先の金融機関に、借り換え日と必要な手続きを確認してください。保険を解約して入り直す必要があるかどうかは、保険の契約内容と金融機関の条件によって異なります。
借り換え後も火災保険・地震保険は原則として継続できる
火災保険と地震保険は、住宅ローンとは別の保険契約です。そのため、住宅ローンの借入先を変更しただけで、保険契約が自動的に終了したり、新しい保険へ自動的に切り替わったりすることは通常ありません。
保険期間が残っていて、補償対象の建物や所在地などに変更がなければ、現在の契約をそのまま継続できるケースがあります。ただし、借り換え先が指定する加入条件や提出書類がある場合は、別途対応が必要です。
住宅ローン借り換えで必要になりやすい手続き
借り換えでは、主に次の点を確認します。すべての人に同じ手続きが必要とは限らないため、保険証券や契約内容を見ながら確認してください。
- 現在の火災保険・地震保険の保険期間が残っているか
- 借り換え先が保険証券や加入証明書の提出を求めているか
- 保険契約に現在の金融機関の質権設定があるか
- 保険料を住宅ローンと一緒に支払っていないか
- 借り換えを機に、補償内容や保険金額を変更するか
保険証券や加入証明書を提出する
金融機関によっては、火災保険に加入していることを確認するため、保険証券の写しや加入証明書の提出を求めます。地震保険を付けている場合は、地震保険の契約内容も確認できるようにしておくと手続きが進めやすくなります。
必要書類の名称や提出時期は金融機関ごとに異なるため、借り換えの正式申込時または契約前に確認してください。
質権設定がある場合は変更手続きが必要になる
質権設定とは、火災などで保険金が支払われるときに、金融機関が優先して保険金を受け取れるようにする取り決めです。現在の住宅ローンについている場合、借り換えによって旧金融機関から新しい金融機関へ変更する手続きが必要になることがあります。
質権設定の有無は、保険証券や保険会社の契約内容で確認できます。記載が分からない場合は、現在の保険会社に「住宅ローンの借り換えで、質権設定の変更が必要か」と問い合わせてください。
なお、質権設定を求めるかどうかは金融機関や契約時期などによって異なります。記載がないから手続き不要、または必ず変更が必要と決めつけず、借り換え先と保険会社の両方に確認することが大切です。
火災保険と地震保険で確認する内容
| 確認項目 | 火災保険 | 地震保険 |
|---|---|---|
| 契約の継続 | 保険期間が残っていれば継続できる場合がある | 火災保険に付帯する契約として、現在の契約内容を確認する |
| 金融機関への提出 | 保険証券や加入証明書を求められる場合がある | 付帯状況や保険金額の確認を求められる場合がある |
| 質権設定 | 設定されている場合は変更手続きが必要になることがある | 火災保険との関係を含めて保険会社に確認する |
| 補償の見直し | 建物、家財、水災などの補償内容を確認する | 地震・噴火・津波による損害を補償する契約か確認する |
地震保険は、火災保険に追加して契約する仕組みです。火災保険だけでは、地震を原因とする火災や損壊などが補償されないことがあるため、借り換えを機に地震保険の有無も確認してください。
借り換えを機に保険を解約して入り直す必要はある?
借り換えだけを理由に、必ず解約して入り直す必要はありません。現在の保険が借り換え先の条件を満たし、補償内容にも問題がなければ、契約を継続する選択肢があります。
一方で、次のような場合は、保険の変更や新たな契約を検討することがあります。
- 現在の保険期間が住宅ローンの借り換え時点で終了する
- 借り換え先が指定する補償条件を満たしていない
- 建物の評価額や保険金額が現在の状況と合っていない
- 水災、風災、家財などの補償を見直したい
- 現在の契約に質権設定があり、変更手続きが必要になった
- 住宅ローンに付帯した団体扱いや特別な保険料の支払いが終了する
途中で解約する場合、未経過期間に応じた解約返戻金が発生することがありますが、金額や計算方法は契約ごとに異なります。返戻金があると決めつけず、解約前に保険会社へ確認してください。
借り換え前に確認する手順
- 保険証券を確認する。保険会社名、保険期間、建物の所在地、保険金額、地震保険の有無、質権設定の記載を確認します。
- 借り換え先へ提出書類と加入条件を聞く。保険証券の写しが必要か、地震保険の加入が条件か、質権設定の変更が必要かを確認します。
- 現在の保険会社へ連絡する。借り換え日、旧金融機関、新しい金融機関、質権設定の有無を伝え、名義や権利関係の変更手続きを確認します。
- 解約や変更の前に費用を確認する。解約返戻金、追加保険料、変更手数料の有無を確認してから手続きを進めます。
- 借り換え完了後に書類を保管する。変更後の保険証券や加入証明書、金融機関へ提出した書類の控えを保管します。
借り換えで保険料は安くなる?
住宅ローンの金利が下がっても、火災保険料や地震保険料が自動的に安くなるわけではありません。保険料は、保険会社、所在地、建物の構造、保険金額、補償内容、保険期間などによって決まります。
借り換えを機に保険を見直す場合は、補償を減らして保険料だけを下げるのではなく、住宅の立地や建物の状況に必要な補償が残っているかを確認してください。保険料の差額を計算する場合も、保険期間と補償内容をそろえて比較する必要があります。
住宅ローン借り換え時の火災保険・地震保険の結論
住宅ローンを借り換えても、火災保険・地震保険は原則としてそのまま使える場合があります。ただし、保険証券の提出、質権設定の変更、保険料の支払い方法の変更などが必要になることがあります。
最初に保険証券で契約内容を確認し、借り換え先の金融機関と現在の保険会社へ、必要な手続きを確認してください。保険を解約して入り直すかどうかは、金融機関の条件と現在の保険契約を確認してから判断するのが安全です。







